私の兄は双極性障害と診断されています。この病気の最も厄介なところは人間関係を壊していくところだと感じています。そうやって関係性を壊したのに、ものすごく人とのつながりを恋しがって、今もネットで友達を見つけて人とつながろうとします。兄は20代で結婚して子どももいます。もともとは家族が大好きで自分の趣味は特に無く、家族とショッピングモールによく出かけていました。私はなかなか結婚できずにモヤモヤしていた時期だったので、幸せそうな兄のことを羨ましくもあり、結婚してすごいなと思っていました。姪、甥が可愛くて、出会うことができたのも兄が結婚してくれたおかげだと感謝しました。また、兄は実家の自営業を継ぐつもりでいましたので、そこも尊敬していました。
私も前の仕事をしていたときは、たまにしか実家に帰っていなかったので、細かいところまでは分かりませんでしたが、10年ぐらい前に実家に帰ったとき、兄が母と激しく口論していたことがありました。母と兄は昔からよく喧嘩することがあったのですが、そのときはいつも以上に激しいなと感じました。その頃から様子がおかしかったと思います。兄は趣味という趣味はなかったのですが、唯一車は好きでした。その頃は夜間もずっと車の手入れをしてあまり寝ないということがよくありました。他にも会社の人と揉め事を起こしたり、今までは行くことのなかったスナックで口論になりお店に迷惑をかけ、母がお金を持って誤りに行ったりということがありました。あらゆる知り合いに電話をかけまくり、深夜遅くの時間帯まで電話するので、周囲の人から苦情や心配する声が家族に寄せられました。いとこが看護師の経験があり、一度お医者さんに診てもらおうということになり、そこで双極性障害の診断を受けました。
私は兄と2人兄弟ですが、喧嘩になると兄が私を言いくるめるまで終わらないので、ある程度の年令になると私は兄とは喧嘩しないようにしていました。正直言って兄のことは苦手でした。お互いのことは分かり合えないと感じていました。兄と兄嫁の間に何があったのか分かりませんが、兄の様子がおかしくなってから、2人の間には大きな溝があり全く会話もなくなっていました。兄は兄嫁とコミュニケーションをとりたいようですが、兄嫁は相手にしないと決めているようでした。私の想像では、兄は子供の時のように兄嫁を言いくるめようとしてひどい言葉をかけたんじゃないかと推測しています。
双極性障害の一番の厄介なところは人間関係を壊していくところですが、他にも物欲などの欲求をコントロールできないところも厄介です。数百万の中古車をローンで購入してきたり、母のクレジットカードの家族カードを勝手に作って飲み歩いて、翌月数十万の請求が来てびっくりすることがあったり、双極性障害の家族の皆さんにとってはあるあるだと思います。兄に問いただすと記憶が曖昧でした。精神科の薬を飲み始めていたので、お酒やタバコは控えるように病院から言われていましたが、こそこそ買いに行ってお酒を飲んだりタバコを吸ったりして、よく嘘をついて誤魔化そうとすることもあり、なかなか家族としてもどう対応するべきか難しい状況でした。近所の家にも誰もいらっしゃらないのに勝手にお邪魔することもあり、田舎なのでお互い知り合いで大目に見てくださいましたが、不法侵入と言われても仕方のないこともありました。
そこからは、入院して病院で比較的落ち着いたら実家に戻る、しばらくすると兄自身がコントロールできない時期が来て入院するの繰り返しでした。兄嫁は兄のことはノータッチ、父もあまり頼りにならず、兄が実家に戻ったときは面倒をみたり、入院が必要なときは病院とやり取りして入院させたりは母が一人でやっている状態でした。母も高齢で自営業も母が経営している状態なので、今後は実家以外での生活の場所としてグループホームを考える方向になりそうです。私は、前の仕事をしている間は自分のことしかやってなかったので、母一人に任せて負担をかけてしまって申し訳なかったです。今は実家にいる時間も長くなったので、母と一緒に今後の兄のことを考えていきたい思っています。母がいなくなったあとは、兄嫁は一緒に考えてくれなさそうなので私中心で兄のことを考えていくことになりそうです。
今日、母と候補にあるグループホームの見学にいってきました。感じたことは、頼ったり、一緒に兄のことを考えたりしてくださる専門家の方々の存在がありがたいということです。相談支援員の方、グループホームのサービス管理責任者の方、精神科医(病院)と相談しながら兄にとっての一番いい生き方を探していけばいいのかなと思います。「一人で抱え込まない」は忘れないようにしないといけないと思いました。

今日の野の花はオドリコソウです。花言葉は「快活」「陽気」「隠れた恋」らしいです。
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